日本は少子高齢化の流れもあり、年々賃貸経営が厳しくなっている現状ですが、今後賃貸住宅はどのようなことをしていけばよろしいですか?少子高齢化の視点でどのようにお考えですか?

ご質問ありがとうございます。国全体が高齢化の流れもあり特に私共が事業展開している三郷市は超高齢化のスピードが日本全体の中で最も早いと言われています。今度の空室解消を考えると高齢者はひとつの鍵と考えます。また、高齢者世帯の住宅確保に向けた国の事業も進んでいます。民間事業者のサービスも拡大し、賃貸オーナー様の不安やリスクも少なくなってきている流れです。

日本の総人口は2011年10月現在、約1億2780万人です。毎年10万人以上減少し、2048年には、9913万人になるといわれています。このままのペースで進むと2060年には国民2.5人に1人が65歳以上という時代が来ます。国勢調査での世帯状況調べでは、高齢者と同居している世帯は、1980年年の70%に比べて2010年は40%と大幅ダウン。逆に、高齢者の実の世帯は30%から50%に増加しています。こういった中で、高齢者世帯の老老介護や孤独死などの高齢者の住まいをめぐる課題が大きくなっています。

現在のこうした高齢者住宅の不足を解消する方法の一つとして求められているのが、アパート・マンションの空室の活用です。少子化の中で高齢者市場に対応していくことは賃貸オーナーにとってまさに必要不可欠な時代となっています。

こういった状況の中で高齢者の受け入れに当たってオーナー様が一番の気がかりになっていることは保証人、家賃滞納、孤独死などの問題です。しかしながら、これは民間、NPO、一般社団法人などのサービスと連携することで徐々に対応可能な状況となりつつあります。

例えば

保証人・・・NPOや一般社団法人などが、高齢者の身元保証サービスに乗り出しています。連携することで、保証人の問題と家賃滞納の問題を解決できます。

安否確認・孤独死の防止・・・警備会社も見守りサービスを行っています。対応がスピーディなので、異常時の早期発見が可能で、最悪の事態に発展しにくいと言えます。ほかにも宅配の飲料メーカーや新聞販売店など、事業特性を生かした見守りサポートを行う民間企業も多数あります。その地域により調べてみるといいでしょう。また、保険会社でも死亡時の火葬、納骨、残存家具処理などに対応した商品を出すところが増えています。

高齢者対応の設備・・・介護がいらない高齢者は現状の設備で十分です。入居後に手すりや段差解消工事が必要になれば、入居者の介護保険で工事が行えます。オーナー様の費用の持ち出しはありません。

自治体の「見守りサービス」や「家賃債務保証制度」もあります・・・従来から行われている、全国の自治体が提供する「見守りサービス」や葬儀・残存家具の片付けなどの支援サービス(有料)もあります。自治体によって緊急時の対応などにバラつきがあるので、確認してみるとよいと思います。また国土交通省指定の高齢者住宅財団の「高齢者支援センター」が運営する「家賃債務保証制度」もあります。こちらは高齢者および障害者世帯や子育て世帯も対象としてます。

参考 ERA Owners オーナーズ 大家さん・地主さんのための情報誌 11月号 発行