耐震補強はどんなことするの?
耐震補強は基礎補強,壁補強,接合部の補強など様々な方法があります。しっかりと効果の上がる補強,評点が上がる補強を行うことです。
そのためにも事前に施工会社との十分な打ち合わせが必要となります。
一部をご紹介すると
地盤の改善
地盤の改善には次のような方法があります。
1.沈下修正 沈下した分だけ修正する方法。比較的安価ですが応急処置的なものになります。
2.支持地盤まで杭を打ち基礎を乗せる
家をジャッキアップして杭を打ち込みます。高額になるのが難点です。
3.地盤を改良する
家を持ち上げて別の場所に移動するか,1階の床をすべて剥がして施工します。これも高額になります。既に家の建っている土地を改良するのはやはり困難です。建てる前に地質調査・地盤改良を行う方が一般的です。
基礎の補修
基礎の補修には、ひび(クラック)の補修(ひび割れが生じている箇所にエポキシ樹脂を注入して塞ぎます)や無筋基礎の有筋化(既設の無筋基礎の外側に鉄筋コンクリート造の基礎を抱きあわせ,一体化して補強します)などがあります。
壁の補強
壁を補強すると言ってもやみくもに壁を強くするのでは偏心率(重心と剛心の距離)は改善されません。必ず,耐震診断の結果から補強の必要な箇所を割りだし,的確な位置に的確な強度の壁を補強する必要があります。
1筋交いを入れて補強する 梁から土台の間に筋交いを入れることでバランス・耐力を向上します
2面材(構造用合板等)を用いて補強する
筋交いを入れる場合と同様,壁の耐力を向上します。最近では梁,土台の加工が必要ない補強方法もあります。
3開口部を減らして新しい壁を増やす
壁を増やすことでバランスを改善します。隅部を壁にすると,一層効果的です。
土台・柱下の改善
土台が腐朽または蟻害を受けている場合や,柱下が傷んでいる場合など,土台の取替えや柱根継ぎを行う必要があります。なお,取り替え材には必ず防腐・防蟻処理を行ってください。加圧注入した木材では耐久性が持続するため,再発防止につながります。また,腐朽・防蟻対策として床下に調節炭を敷き詰めることも効果があります。
接合部・その他
その他にも診断の総合評点に反映される「屋根の軽量化」や反映はされませんが部分的な欠陥の改善として「接合部の補強」など、重要性の高い補強があります。
基礎と柱を緊結する 壁が強くなることで柱のホゾ抜けが起こりやすくなります。それを防止するためにホールダウン金物を使用し,コンクリート基礎と柱を直結します。またホールダウン金物には,壁の中に金物を収める「内付け」と外側に設置する「外付け」があります。
屋根を軽くする
重量のある日本瓦を,軽量な材質に取り替えることも耐震性の向上に有効です。
バットレス(添柱・控柱)を設置する
建物の内部では強い壁の設置ができないときには,筋交いと同様の効果を発揮するバットレスを外側に設置します。