どうして、家に炭を入れようと思ったのですか?

きっかけは、あるご家族のクレームです。そのお客様の家をつくらせて頂いたのですが、完成した新居に引越した途端、お嬢さんにぜんそくの症状が出始めたというのです。昼夜問わず、咳が止まらず苦しむ姿に胸を痛めたご両親が『社長、なんとか原因を探ってもらえませんか』とおっしゃいました。今でこそシックハウス症候群という言葉は広く認知されていますが、当時はまだ一般的ではなく、私自身も知らなかったのです。お住まいは新築で、暖かく快適なはず。何が原因か思い当たらなかったのですが、ご自身でも原因を調べていたお母様が『裏側に炭の粉を塗ったクロスがあるそうです。これらに張り替えたら咳が治ったケースがあると聞きました。わが家もこのクロスに張り替えてはどうでしょうか。』と相談に来られました。そこで、お客様の希望に応じて家中のクロスを張り替えたところ、お嬢さんの症状がピタリとおさまったのです。お客様は喜ばれ、私どもも胸をなでおろしたのですが、この出来事は家づくりに対する私どもの発想を大きく変えるきっかけとなりました。これが、炭の家が生まれた理由です。