世界にはさまざまな家の建て方があります。人はどんな家に住んできたのでしょうか?

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まず、日本の家は古来から木を使って家を建ててきました。壁はわらと土、屋根は萱(かや)で葺(ふ)いて、障子には紙を用いました。植物質をメインに用いた究極の「エコ住宅」です。

木と土、そして紙で家が出来ているのは、日本の高温多湿な夏の暑さをしのぐためと言われています。風通しがよいのが長所ですが、冬には室内も外気と同じ温度まで冷え込むのが欠点。たくさんの重ね着して寒さをしのいでいました。

高温多湿に適応する住宅は主に東南アジアで見られ、これらの家もまた、木でできています。

一方、粘土を焼き固めてブロックにした煉瓦を用いた住宅は、人類の文明発祥の地・メソポタミア地域(現在のイラク付近)が発祥で世界に広まっています。なかでも天日乾燥させて作る日干し煉瓦は中央アジアで広く使われています。雨風に強いという利点がありますが、煉瓦の家に共通する欠点は地震に対して弱いことです。

モロッコやギリシャ、スペインなどの地中海に面する地域の伝統的な家は石灰からつくった漆喰で白く壁をぬっています。これには家は強い日差しを反射して、家の中を涼しく保つなどきちんとした理由があります。地震の少ないヨーロッパでは、石造りの家を何世紀にもわたって使い続けています。

山岳丘陵地である中国・貴州省では、少数民族のプイ族が石頭寨(せきとうさい)と呼ばれる石造りの家に今でも住んでいます。プイ族の村は、道路も、家屋も、門扉も、机や腰かけまでも石出できている「石の世界」です。

そして時代とともに、土や石を素材にして家を建てていた工法は、現在では主にコンクリートによる壁工法へと発展し、草や木を素材にする工法は、現在では主に木や鉄による骨軸工法へと発展していきました。