生活を5感で感じられる家にしたいと思っています。どのようにしたらよいでしょうか?

「広がり間取り」は家族のコミュニケーションをはぐぐむ間取りの理想形ですが,欧米型のLDK間取りでも「広がり間取り」のエッセンスを活かすことで,コミュニケーションを育むことは可能です。それは住む人の感性=五感に働きかける工夫を取り入れることです。

いうまでもなく五感とは,視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚のこと。ではそれぞれの感覚が,間取りとコミュニケーションにどう関係するのでしょうか?

視覚とはここでは主に,家族同士の目線=アイコンタクトを意味します。目は口ほどにものを言うと言いますが,言葉を交わさなくても表情視線から気持ちを察することができます。視線が合う室内レイアウトを心がけることは,コミュニケーションを促す上で効果的です。アイレベルという考え方を取り入れるのもいいでしょう。自分の目線の高さを相手の目線に合わせることでもコミュニケーションはしやすくなります。これとは逆に,上から見下すような視線は相手に心理的な壁を作ってしまう要因になります。段差を巧みに取り入れてアイレベルをあわせやすい工夫をするといいでしょう。

つぎに嗅覚。家族同士の会話だけでなく,人が動く時の物音が聞こえることで、家族の気配を感じることができます。歩く時の音や寝息などからも,家族が元気かどうかまで察知できるものです。開放的な間取りや吹き抜けによってその効果は大きくなります。

触角は,壁や床などの素材の風合い,空気の流れなどが関係します。設備を揃えるだけでなく,自然の力を利用することも大切です。嗅覚もまた、人間の感性にダイレクトに反応します。臭いがこもったり,カビくさい家は不快なだけでなく,健康をも害します。味覚は「食」というとても大切な事柄に関わってきます。