住宅の換気について教えてください。換気にはどのようなメリットがあるのですか?

適度な換気にはさまざまなメリットがあります。

新鮮な空気の供給、除湿(水廻りや押入れ)、脱臭(トイレ)、温度調節、除塵(ホコリを外に出す)などです。適切な乾季を行う事で家自体の寿命も伸びます。

そして換気方法も、風通しによる自然換気と機械換気の2種類があります。また風通しのよい、換気性能の高い家をつくるには通風に配慮した間取り、および配置が不可欠です。

■室内換気の方法

空気が室内を流れる際にはいくつかの特徴があります。

一つ目は換気の基本中の基本ですが「空気が流れるには入口と出口が必要」だということ。窓が一つしかない部屋だと、空気の出入りが起こらず、よどみの原因となります。部屋の換気のためには空気の入り口と出口をセットで設計しなければなりません。

二つ目に、「空気は暖められると上昇し、冷えると下降する」ということ。対流と呼ばれる性質です。窓がみな同じ高さにあると、対流による空気の流れを換気に利用できませんので、高さを変えて配置することで換気しやすくなります。特に暑い時期には部屋の上にたまった熱い空気を高窓から外に追いやることができます。

三つ目が、空気にはよどみができるということ。特に部屋の隅などには流れに取り残された空気が滞留し、湿気などの原因となります。四角い部屋の場合、向き合った壁同士、同じ位置に同じ大きさの窓をつくると、風がまっすぐに最短距離しか流れないので、換気が不十分になりやすくなります。この場合、窓を対角線上に近い位置に配置すると、風が複雑な経路を通って流れ、部屋の空気に渦をつくりやすくなりますので、換気公立が上がります。

四つ目は空気は大きい入口から小さい口に向かって流れるということ。つまり、窓の開口面積に大小の差を設ければ、それが空気の圧力の差となって、大きな窓からたくさんの空気が入り、小さな窓へと出ていきます。逆に窓の大きさが同じだと、圧力が拮抗して、流れが起きにくくなります。

以上四つの点を念頭に換気を計画することで風通しのよい部屋になります。

参考:建てる前に読む「マイホーム塾」読本

家族の夢をかなえる家づくり マイホーム塾塾長 松井孝司